祈り
- mahomiyata45
- 2015年1月29日
- 読了時間: 3分
ヨルダンのパイロット、ジャーナリストの後藤さんの拘束をめぐって、ヨルダンの一部メディアによると、サジーダ・リシャウィ死刑囚をパイロットの男性との交換を条件に、解放準備を進めていると声明を出したようだ。
今回の件をめぐって、イスラム国(ISIL、以下ISIL)が、政府レベルの外交(とは呼べない強行なものであるが)の腕を持っているということがよくわかる。
様々な推測によると、ISILには、同じようなイスラム過激派のテロ組織アルカイダよりも、元高級官僚など、相当、政治に詳しいまたは、場馴れしているような人物も多く所属し、『国』に近い運営を実現しているのではないか、ということだ。
今回は、前回の記事で述べた通り、反戦国家ではない日本に対して、また、金銭や人質の解放など、さまざまな新しい条件をつけるなど、イレギュラーな事例となっている。それは、『事の幕開け』のような気がして落ち着かない。
つまり、反戦国家への注意であり、反戦国家と友好関係にある国家への圧力でもある。イスラム過激派への参加の呼びかけや、敵となることの脅威、また世界へこれから大きな影響をもたらすということをPRするかのようだ。
今回、拘束され、人質とされる2名の安否ももちろん、大切な問題だ。しかし、今回の2名の命が助かるかどうかに関わらず、世界的にISILがどのような存在意義をなすのか、これからどのような行動にでるつもりなのか、本当に注意しなければならない。
イスラム過激派は、『聖戦主義』とも言われている。もちろん、聖戦とは、本来、日本の自衛隊のように、保守主義でなければならない。(攻められ、やむを得ない場合のみに自国や市民を守る為のみに許される武力行使)今回の人質事件が、大きな戦争や、新たなテロを生むISILの思惑の幕開けでないことを心底願っている。
そして、自国の民と、異国の民の命という、なかなか計り知れない天秤にかけられ、巻き込む形となってしまったヨルダン政府やその市民の方々には、我々、日本人は、本当に申し訳なくまたありがたい気持ちを持たなければならない。
彼らが、パイロットの命優先と声明をあげたことに関しても、当然のことであり、むしろ、優先順位に関係なく、日本人の命も考慮し、交渉をしてくださることは、尋常のことではない。
また、音声のみを含め、湯川氏の殺害写真を持った後藤氏がウェブ上に公開されるのは、3度目になった。最新のメッセージで、人質と後藤氏の交換は、トルコ国土内と指定があった。指定があると言うことは、たとえ交渉段階だといっても、トルコをも巻き込んだのはいうまでもない。
これらの他国家に、日本は感謝しています。
もちろん後藤氏の安否は、全国民が望んでいます。しかし、その結果に関わらず、私たちの感謝の念は、ゆるぎないでしょう。

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