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人材派遣会社 実態報告1

  • maho.
  • 2015年4月14日
  • 読了時間: 8分

オフィス·コール

4月から派遣会社で正社員として働いている。人材派遣の業界では、そこそこの業績を残し、そろそろ株式も上場しようかという一応、大手に入る企業だ。大学の先輩の紹介で、もう新卒募集もほとんど受け付けていないような2月にたった2回の面接で内定をもらった。正直、この業界自体にブラック企業が多いと言われる中、確かに働いてみてブラック企業かと言われれば、グレーといった感じ。ブラックとは言い難い。しかし、その業界の中でまぁまぁ、先頭を切って走っている会社でも、問題に感じる部分はある。

 この会社に入社することになった経緯は、日本で様々な記事を書いていくためにも取材が必要であり、日本に残るためである。(海外での仕事を決めていた。)つまり、私にとって、この会社に所属していることは、ただ繋ぎなのであるが、しかし、折角時間を割いて働かせていただくのだから、取材に行っているつもりで、この業界がどんな問題を抱えるのか、この仕事を続けている限り、報告していきたいと思う。

尚、いくら自身も不安や不満を持っており、そして繋ぎだと言っても、面倒を見てもらい、お金をいただいていることは事実である。それ故、私の就職先が特定されるような書き方は避けたいと思う。そして、あくまでも、人材派遣企業という業種の一企業に就職し、経験したことを基に、実態報告をさせていただく。ゆえに、全ての人材派遣企業が同じようなタイプにあるとは誤解されないよう注意されたい。

 ・入社前から募る不安

私はもともと頭も固いし、意見をしっかり言うタイプなので、入社前に少しトラブルに発展させてしまった出来事があった。その経験だけで、すぐにこの業界、もしくは企業の危うい部分を感じた。

このトラブル自体は本当に、ささいなことだった。実施報告書という、終業後に記載、提出する資料の提出不備に関するものだった。提出方法は2種。メール送付かLINE送付である。

仕事でメールを使用するのは致し方ないと感じるが、個人的には、タイムラインなどのプライベートものぞかれやすいSNSを仕事関係の人に教えることは気が引けた。(実際にライターの仕事で関係のある方には、SNSをツールとして仕事をさせていただくことはあるが。)そこで、メールを使用してデータ送信したわけであるが、結果としては、添付データが重すぎて、先方はデータを受信できなかった。

しかしその連絡が入ったのは提出後24時間以上経過した翌日の夜中だった。たまたま大学の自主ゼミが長引き、友人らと、学生生活も終盤の夕食を共にとレストランでオーダーをした直後に連絡がきた。

「すみません。期限昨日だったんですが、提出してくれてますか?」いきなりこのような口調で電話がかかってきた。完全にプライベートの時間ではあったが、「はい。教えていただいた通り、メールにてデータ送信させていただきました。」すると、「今日中に欲しいのでもう一度送ってください。」しかし、すぐに帰れる状況でもなかったので、「すみませんが、今外出中ですので、難しいです。帰宅後すぐに再送しますので、待っていただけませんか。」そもそもデータ受信できなかったのは、先方の機能不全である。「何時に帰るんですか?」「フリーアドレスで送ってくださったんですよね?じゃあ、IDとパスワード教えてください。吸い取っておくので。」信じられなかった。私のフリーメールに勝手にログインして、プライベートを全て晒した状態を機にも留めないということだ。ライターとしてのやり取りにも使用していたし、高校や大学の恩師とやりとりしたメールなども閲覧可能になる。見られることも嫌であるが、先方が私になりすまして誰かにメール送信することすら可能になってしまう。(もちろん、そういった心配は皆無に近いといっても常識的範囲から逸脱していることは言うまでもない。)更に言えば、以前からずっと連絡するといって連絡がなかったり、こちらから何度電話しても、折り返しがなかったりと、先方には全く信頼がなかった。そんな信用のおけない人物に、個人情報を容易に教えるなどできるはずもなく、「すみませんが、プライベートでも使用しているものなので。それだけはすみません。」…結局、渋々LINEを教え、その経由で報告書を再再送することになった。(それまでもデータを圧縮して再送など、試みていた。)

データさえ送ってしまえば、「お手数をおかけしました」や「ありがとうございました」の挨拶ひとつもなく、既読無視。痺れを切らして、「先ほど再再送させていただきましたが、今回はちゃんと見られますでしょうか。」と連絡する羽目。

・挟み過ぎ

私の就職先はA社である。A社は数件の他社に社員研修を委託している。私の所属部署の社員は、過去にA社から独立した(兄弟会社のような)B社で研修を受ける。そして様々なCやDといった、別の人材派遣会社を挟み、派遣や業務委託と言う形で、現場E(クライアント)の下で働く。

引き継ぎミスや漏れは、しばしば。我々社員は、現場EではCやDという体裁で赴き、所属に関するどんな質問があってもシラを切らなければならない。

当然私はCやDの内情に関して、ほぼ知らされていない状態で、派遣される。こちらから聞くとしても、Bにしか情報を聞き出すことができないので、Bも持ちあわせていない情報であれば、「すみませんが、聞いていません。現場で確認してください。」といった具合である。伝達ミスなどのせいで、何度不利益を被ったことか。

・人手不足

何社も挟んでいるせいもあるだろう。伝達ミスや、伝統的形式と異なる動きなどに関して、現場E(クライアント)から不満の声があがるのは当然である。基本的には、派遣されている張本人に何かすぐに指摘されるということは少ないが、CやD、さらにはBに苦情という形でぶつけられている。

私自身に関しては、新卒の研修2日ほどでは、カバーできるような案件ではなく、あまり良くないことであるが、現場E(クライアント)から直接、指摘を受けた。そのこと自体が、きつくないといえばうそになるが、それよりも、CやDについて知らないため、答えに詰まりそうな時があり、自分の所属会社だけではなく、彼らの看板も背負っているのだな…と思うと、現場Eの要望通りにするしかないと考える。(上の指示も守りつつ、クライアントの要望に臨機応変に対応する。)現場E(クライアント)の要望に応えるのは第一であり、それができないのであれば、誠意がないとしてCやDはクライアント(現場E)を失う可能性が高まる。

 私の場合は、CやDが、今までは違うやり方をしてくれていたのではないか、と数がでないことや、そのやり方に直接、不満をぶつけられた。そのこと自身は私の力不足でもあるので、私自身も改善が必要ではあるが、なにせ研修も大雑把で、本人任せのところが大きいこともあり、1日2日でなんとかなる問題でもないため、クライアントの要望通り、他のスタッフを派遣するべきだと感じた。この事実をBに報告したが、Bから返ってきた答えには絶句した。「理不尽ですね。そんなきついこと言われたんですか。」「正直あの来客数でその数なんて、私達でも取れませんよ。」「もうあなたにこれ以上、改善してもらうことはないです。」「無視しといていいですよ。」他の人をあてれば済むだけの話をクライアントの要望も無視。現場で働く人間の意見も無視。おまけにトップクラスの営業でも達成の難しい目標に、たった2日間研修しただけの経験もなにもない新卒にやらせるという有様。

そもそも、私の就職先では、3年間、現場を見てくださいということで社員という名の下に、人手不足解消に、派遣と同じように働かされる。全く経験がなくても、研修もまともに受けていなくても、1人で現場へ行かされることはしばしば。

そして、うちの支店だけで、新卒は180人!未だ配属先が決まらず、春休みのままのような生活をしている同期、既に辞めた者もいる。給料も払えるのか心配は尽きない。

・きりがない

書きだしたら、きりがない。同期も全く夢がない。話せば、「この会社大丈夫かな。」「もう辞めたい」こんなことばかり。

思い出してほしい。冒頭で述べた通り、私の就職先は、人材派遣会社という業界の中では、かなり先頭を切って走り続けている会社であり、信頼度も高い。そして、この業界の中では優良だ、と言われている企業なのである。

他にも多くの非常識な対応や、信じられない事態の発生は、日常茶飯事である。

私自身も、繋ぎで入ったこの会社。今は真新しいこの業界が、一体如何なるものなのか、この目で見てやろうという思いもあるが、時間は有限。意味のない時間を過ごすよりも、前に進みたいという気持ちはかなり精神の広範囲を占めている。

私が今後、この会社に勤める限りは、実況報告ということで、どのような環境下にあるのか情報発信していきたいと思う。

これから社会に出る人や、すでに社会に出ている人、行政やメディア関係の人には、少しでもこの実態を知っていただきたいと思う。

これがひどいと思うか、日本企業で起こっている通常のことなのか、それとも、多くのブラック企業と比較し、かなりいい環境にあると思うのか、それには個人差があるだろう。しかし、参考としてこのような会社があるのだな、ということは知っておいて、そして社会の改善に少しでも役立ってほしいと願うばかりである。ただ、私が理不尽な思いをしているだけで終わらせるにはあまりにももったいない。潜入取材としてはかなりいい環境にあるのだから。

・最後に(占め)

実態報告は、随時更新しようと思うが、新卒ですぐに会社を辞めるかどうかは、結構悩むポイントである。近年は3年離職などという言葉も皮肉にも流行ってはいるが、それがいけないことなのかというと、ただ効率が悪いとは言えるだろうか、必ずしも悪いとは言い難い面があると感じる。

たとえば、仕事がきつすぎるために転職するのも、ありだろうし、私の場合のようにグレーの企業で自身も同じように染まるのは避けたいというのもひとつの理由にはなるだろう。

ただ、慎重にならなければならないのは、遊びではない仕事というもの自体を気嫌って辞めてしまうことだ。自身の仕事に支障をきたしたり、人生の足を引っ張る場合に自分の立場や環境が置かれているのかどうかだけしっかりと見極めて転職したいと思う。

 
 
 

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